極私的名盤&名著探訪記

これまで聴いてきた音楽、本の素晴らしさを徒然なるままに書き記します。

私の原点 TM NETWORK『CAROL』

初めに書く記事はこれしかないと思っていました。自分にとってはまさに始まりのアルバムです。

 

中学1年生の頃だったでしょうか、両親の実家に里帰りした時、従姉妹が「聴いてみない?」とカセットテープを2本くれました。そのうちの1本が、TM NETWORKの『CAROL』でした。

 

このアルバムは、メンバーの木根尚登の手によるファンタジー小説『CAROL』の世界観を表現した楽曲と、当時のヒットシングルとが混在したものとなっています。アルバムのライナーには小説の世界観の一部が書かれていますが、メンバーも名前を変えて小説に登場します。当時読みましたが、なかなか面白い物語だと思った記憶が。

 

肝心の音楽ですが、当時カセットテープをかけて1曲目の『A Day In The Girl's Life』のイントロが流れた瞬間「これだ!」と感じました。透き通ったシンセサイザーの音色と、小室哲哉の手による親しみやすいメロディ。そしてボーカルの宇都宮隆の素晴らしい声質。

 

今聴くと、ロックバンドが上手にシンセサイザーを活用しているものと思えますが、周囲の多くが「ピコピコしてしるしなあ」などと言っていたことが思い出されます。私などは「そのピコピコがいいのに…」と思っていました。

 

1〜4曲目までがCAROLのテーマ、そしてヒットシングルが続きます。

 

紅白歌合戦でも歌った『Come On Everybody』。大好きな曲ですが、親と一緒に紅白を見ていたら宇都宮隆が歌詞を間違えて、なぜか自分の顔が赤くなったのは今となってはいい思い出です。歌詞間違えはむしろ愛され要素になっていると後に知りました。

 

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のエンディングテーマ『Beyond The Time』が続きます。逆襲のシャアは観ましたが、νガンダムのかっこよさと、登場人物であるクエス・パラヤとハサウェイ・ノアへの苛立ちの記憶が残っています。

 

そして『Seven Days War』は映画『ぼくらの七日間戦争』の主題歌です。TMがあまり好きでなくとも、この曲は好きだという声を聞きました。この映画の宮沢りえは神がかり的可愛さでしたが、個人的には『ぼくらの七日間戦争2』なる続編?で注目が少なかった渋谷琴乃や具志堅ティナの運命の方に目が行きました。具志堅ティナなんかは売りたかったんだろうなあ…。

 

脱線しましたが、CAROLからカットされたシングル『Just One Victory』とそこに収録されたアニメ『シティハンター2』のエンディングテーマ『Still Love Her』も泣かせます。作曲は小室哲哉木根尚登になってますが、木根テイストが強いような。

 

このアルバムは、今も変わらない私のシンセサイザー愛の原点です。シンセサイザーの出す音は聴いていて気持ちがいいのだと教えてくれました。そして後に小室哲哉はプロデューサーとして大成功を収めていくわけですが、男性ボーカルという意味では宇都宮隆以上に合う声質はいないのではないか?というくらいで、主に女性ボーカルを手がけたのもそこに理由があるのでは?と思わされます。

 

ここをスタートにTM NETWORK探訪の旅が始まりました。そして、我が従姉妹のセンス恐るべしですが、後にこのアルバムの多くの曲でギターを弾いていた松本孝弘率いるB'zを紹介されますが、それは稿を改めましょう。

 

ありがとうTM NETWORK